昨日は下の子の誕生日.16歳になった.
仕事からの帰り道,車を走らせていると彼女が通う高校の前で帰宅途中の
彼女を見かけて声をかける.バンドの練習ということでベースを持って行ったから,
それが目印.なにしろ暗いし制服姿では見分けがつかない.
このところの忙しさで何も作ってあげられない誕生日.思春期に入りそれなりに
無口でフキゲンという王道を行く彼女だが,私の書斎まで来てはだらだらと
おしゃべりするだけで,日常が分かることも多い.
それにむしろ今は,それぐらいの距離がお互いにとって安全なのだ.
お寿司をつまみながら,私が家族の誕生日ごとにたくさんのごちそうを
テーブルに並べてきた話題になる.上の子も学校から帰ってきて話しに加わる.
不在がちで,私はいつも「それいゆ」を優先してきた.そんな私達をつなぐのは
食べることの記憶.ラザニア,グラタン,パエリア,ローストビーフやレンコンの
サラダ等々次々に料理の名前があがった.そんなに作っていた?
同じことをグループホームでもやっていた.今はスタッフがそれを引き継いで
くれている.
高価なプレゼントはないけれど,自分のために用意された美味しいごはん.
それがどんなふうに心に刻まれるのかをまた教えてもらったひとときだった.