トラヴァイユ・それいゆで新たに手がける委託作業に,干菓子の
箱詰めがある.円山にある「サロン・ド・ムヤ」さんから依頼を受けて
女性の職人さんがつくる繊細な干菓子を,箱詰めする作業だ.箱にラベル
を貼りクッション材を寸法に合わせてカット.同じ寸法の白い台紙のうえに
決められた数と配置で干菓子を並べ,透明フィルムのなかに静かに入れて
ずれないようにテープで留め、最後に別様の白い紙にてくるみ,
箱に収めるという一連の作業を,まずは50箱いただいた.
台紙,クッション材,白い紙のカットには線をひけない.あらかじめ
カッター版にマジックで型を作り線を引いた状態でうえからそれを
なぞる.台紙に干菓子をセットするには,欠けないように,ずれがない
ように細心の注意が必要だ.また配置がすべて指定されているので間違いが
ないようにする.
メンバーたちはあらかじめ面接で選ばれた人たち.決して全員が
器用な訳ではない.けれど仕事としてやるからには「出来ない」ではなく
「どうすれば出来るか」を考え,練習し,取り組むことが必要だ.
張りつめた緊張感のなかでスタッフとメンバーの4日間が終了した.
納品を終えて一息ついたスタッフから,安堵のメールが届く.これだけの
作業だが,工賃は10円単位となる.それが現実だ.
こうした機会(チャンス)があることで,メンバーたちは漠然とした
「働くこと」を,我が身のこととして引き受ける.大事なのは出来るかどうか
ではない.やってみようとすること,投げ出さないこと,自分の力を見つめる
ことだ.今回もメンバー達の作業から,スタッフがたくさん気づかせてもらった.
これも委託作業の重要な点だろう.いよいよ4月からは本格的に始まる.
写真は2月のバレンタインデーに合わせて販売された干菓子.独特の形と色合い.
私は時々深夜の珈琲のお供に楽しんでいる.干菓子は4/2~丸井今井で販売の
予定.春を彩った素敵な干菓子を試してください.「それいゆ」のメンバーは
次の作品を箱詰め出来ることを,今から心待ちにしている.