2013年8月5日月曜日

「その後の不自由」

 賛助会員の見学会は無事に終了。わざわざお祝いをお持ちくださる方がほとんどで恐縮する。しかも遠方からお越し下さったことにまたまた恐縮するやら嬉しいやら。カフェの予定場所へご案内するが、いつのまにか素敵なテラスが完成している。こんなところでアイスコーヒーを飲めたら涼しいだろうな...開店を早めたくなった。でも内実は大変な状態。再開を機にメニューの改良やメンバー達の講習会などやることは目白押し。それに加えて退職するスタッフの有給消化に伴うカバーにも入りと、みんなにかなり無理をさせてしまっている。8月を乗り切れるのか、そっちがまず大事。

 ところで昨日、医学書院のSさんから『その後の不自由』第4版が届く。奥付を少し手直し。地道な売れかたらしい。本当にありがたいし、このご縁で全国にお話に行く機会が増えた。今年は茨城、大阪、九州と続く。上岡さんとも本当に出せてよかったねーといつも話す。手渡せるものがあるのって大事だなと思う。

 実は現在博士論文を元にした本を執筆中なのだが、スタッフには「読むとすぐに眠くなる」と不評。編集者に第1章を読んでもらったところ「想定した読者が読み進められるものを」とコメントされ書き直し。当たり前ですね。読む気になってもらえるもの、そして大事なことが平易な言葉で書かれていること、現象は一見特異なものに見えるが普遍的真理に触れるものであること...なんて欲張ってるので全然進まない。というか書き下ろしに近い。「時間は作るもの」というのが私の指導教官の口癖で、先生も殺人的スケジュールにも関わらず書いていらした。私は先生のマネはとても出来ないし、そんな能力もないが、やり抜く姿勢だけは身に付いた。時間はかかるかもしれないけれど、何とか仕上げていきたい。『その後の不自由』も構想から完成までに5年かかった。発見も気づきも言葉で一旦記憶されるが、毎日のドタバタでそれらは必要に応じてヴァージョンアップされる。そうした作業の繰り返しのなか、ぶれない言葉になって固まってくるときがある。それは文章の核になる。記憶に留まる言葉を紡ぐには、この毎日が大事なのだと思う。