2012年9月19日水曜日

自分を発見する

 札幌はふたたび暑さがぶり返して,メンバー達は一様に体調管理が
大変です.スタッフの疲れもじわりと蓄積されているので,気をつけ
ないと..こういう時にいろんなことが起こるんだよね.

 16日の地元紙に,「それいゆ」が10周年を迎えたことで活動が紹介
されました.メンバーの一人に取材を受けてもらったのですが,本人は
記事が読めないのでスタッフに音読してもらったそうです.自分の
話したことが活字になり,それを耳で聞いて,泣きそうになったと
教えてくれました.自分に起こっていたことはすごく辛いことなんだ,
大変なことだったんだと,今まではまるで別の人に起こっていた
ように思っていたけど,それは全部自分に起こっていたんだと思ったら,
自分が可哀想になって泣けてきたというのです.
 取材はすごく嬉しかったそうです.「それいゆ」の紹介をされる記事の
なかに自分がいることは,どこか誇らしげにも見えました.自分の存在に
光があたった感じがしたのかもしれないなと思います.
 「それいゆ」にたどり着く人の多くは,自分のことが自分でよくつかめ
ないのです.あまりに自分を隠して,振りをしているうちにどれが自分なのか
どの自分を演じているのか分からなくなってしまうようです.

 短い記事ではありますが,こんな形で自分を発見することがある.
言葉がすごく不自由な彼女ですが,自分を著す言葉を音で確かめ,言葉を
通じて表現された自分と対面しているようでした.