2013年7月29日月曜日

流れる時間

 縁あってグループホームでサポートしていたUさんが、お連れ合いとの新婚旅行で札幌へやってきた。僅か半年だったけれど、忘れることのできない濃厚な時間を過ごした彼女とは、私が仕事で東京へ行く時に時々会っている。地元に戻ってからも、しんどい時に電話をかけてきたり、メールでどうしたらいい?と聞かれる時に出来る範囲で話しを聴き、思うところを伝えてきた。そうしているうちに5年が経った。

 札幌にいたときの彼女はとにかく人を求めながら人を遠ざけ、近づく人をズタズタにしかねない怒りを孕んでいて酷かった。そうしないと自分を保てないくらいの歴史をわずか19歳で抱えている人だった。必死で向き合うことにしたものの、半年でこちらがgive up。自分の非力さを認めざるをえなかったが、それが出来たことをいまでも良かったと思える。

 人には変化し成長する力がある。心の底からそう感じさせてくれる出会いだ。

 彼女が一緒に食事をした際に一冊のアルバムをくれた。なかには彼と二人で撮った写真が何枚もレイアウトされている。了解をもらって一枚を選ぶ。

 これから先も、いろいろなことがあるだろう。取り乱し、怒りまくり、自分を見失うような出来事と遭遇するのかもしれない。しかし少なくとも彼女は自分に降り掛かるそうした出来事と対峙する際に、一人ではなく傍らの人と力を合わせようとしている。そのことが私を大きく揺さぶる。

 「信じる」それは説明の難しい感覚だ。やってみせるとか、そこにあるよとか見える訳でもない。彼女を支えてくれた多くの人とこの奇跡を喜びたいと思う。

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